【2月1日 AFP】日産自動車(Nissan Motor)前会長のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)被告(64)は1月31日、東京拘置所でAFPと仏日刊紙レ・ゼコー(Les Echos)の取材に英語で応じた。逮捕後初の外国メディアとのインタビューでのゴーン被告の発言を、以下に掲載する。

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■勾留の継続は「普通でない」

「私は保釈を却下され続けている。これは、世界の他の民主国家であったら普通でない」

「私はなぜ、有罪を宣告される前から罰せられているのか? どう見ても私の立場は非常に不利だ」

「私の目の前には、日産の一派がいる。この件に関わった100人を超える人々だ。検察当局の70人もいる。そして、私は70日以上も拘束されたままだ」

「電話もパソコンもない。どうやって自分自身を弁護できるというのだ?」

■「ごみを投げつけてくる一派」

「毎日、私にごみを投げつけてくる一派がいる」

「検察にかけられた容疑だけでなく、日産からも疑われている。彼らは多くの事実を文脈から切り離している。私の評判を傷つけるために、事実をゆがめているのだ」

「日産で私を非難した中心人物たちが今、捜査の内側にいる。彼らは法務に詳しいインサイダー(内部者)中のインサイダーで、疑わしい、おかしな役割の人がたくさんいる」

「非常に驚いているのだが…私は自分自身を弁護するあらゆる権利を否定されている。私は公正さについて話している」

■勾留は「とてもつらい」

「私の置かれている状況を過小評価するのはよそう」

「夜、寝ている間も照明はつきっぱなしだ。時計もなく、時間の感覚がなくなっている。外へ出られるのは屋上に30分だけ。新鮮な空気に飢えている。確かに私は強い人間だが、もちろん疲れている」

「家族と話せていない。11月19日以降、妻のキャロルや子どもたちに電話をかけることさえできずにいる。一番上の娘は29歳の誕生日を迎えたが、祝ってあげられなかった。初めてのことだ。これはとてもつらい」

■「裏切りの物語」

「これは策略か? 陰謀か? 明らかなのは、これは裏切りの物語だということだ。この点に疑いの余地はないし、これには多くの理由がある。2社の統合計画をめぐって反対や不安があった」

「私は、(企業連合のトップを)自分がもう1期務めるなら、統合に向けてもっと取り組む必要があると言った」

「目標ははっきりしていて、抵抗は最初からあったが、連合の安定を確保するために他にどんな選択肢があるだろうか」

「私はこんなことになるとは予期していなかったが、これが陰謀につながった」

「シナリオは持ち株会社を設立し、傘下に3社を収めて全株式を保有するが、それぞれのグループの独立性は維持するという内容だった」

■「1円たりとも」

「私は、受け取ってもいない収入について過小報告したと非難されている! 受け取ったのに報告しなかった金額は1円たりともない」

■「日本を愛し、日産を愛している」

「私は日本を愛し、日産を愛している。私は日産を再生・再建し大企業にするために長年尽くしてきた。私は会社に背くことは一切していない」 (c)AFP