【2月1日 AFP】米税関・国境警備局(CBP)は1月31日、アリゾナ州のノガレス(Nogales)国境検問所で、農産物を積んでメキシコから米国に入ろうとしていたトレーラーから、115キログラムの麻薬性鎮痛薬フェンタニルを発見、押収したと発表した。米国ではフェンタニルの過剰摂取により年間1万人以上が死亡しているとされ、今回の押収量は過去最大規模。

 ノガレス国境検問所のマイケル・ハンフリーズ(Michael Humphries)所長は、まず、一般的に大型のエックス線装置が使われる「非侵襲性」の手法でトレーラー内に秘密の空間があるのを発見し、追加検査で探知犬が薬物のにおいを嗅ぎつけたと明らかにした。179キログラムの興奮薬メタンフェタミンも同時に発見された。

 ハンフリーズ所長は「これはCBP史上最大のフェンタニルの押収だ」と説明。麻薬取締局(DEA)の確認は取れていないものの、米機関全体で見ても過去最大の押収量とみられる。国土安全保障省によれば、南部国境でのフェンタニルの押収は過去1年で2倍以上に増加した。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、不法移民と危険な薬物の流入を防ぐためとして、米メキシコ国境の壁の建設予算57億ドル(約6200億円)を議会に要求している。一方、民主党は、壁には効果がなく、大半の違法薬物は正規の国境検問所を通って米国に持ち込まれているため車両検査技術の利用拡大の必要があるとして、大統領の要求を拒否している。(c)AFP