【1月31日 AFP】原子力発電で生じる使用済み核燃料の最終処分方法について解決策が見つからず、各国が処分場の確保に四苦八苦する間にも、有害性がなくなるまで非常に長い年月を要する高レベル放射性廃棄物は世界各地で増え続けていると警告する報告書を、環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)が30日発表した。

 報告書はフランス、米国、ベルギー、日本、スウェーデン、フィンランド、英国の原発利用7か国の放射性廃棄物処分場を分析した上で、複数の施設がほぼ飽和状態だと指摘している。

 また、処分場確保の他にも、火災のリスク、放射性ガスの発生、環境汚染、貯蔵容器の破損、テロリストによる襲撃、かさむ処理費用といった未解決の課題を7か国全てが抱えているとしている。

 グリーンピース・ドイツの核問題専門家で報告書の作成に関わったショーン・バーニー(Shaun Burnie)氏は、「原発の民生利用開始から65年以上が経過したにもかかわらず、最も危険な放射性廃棄物を管理する解決案を見いだした国は一つもない」と述べた。

 特に、地下深くの地層に放射性廃棄物を埋設する「地層処分」は最も研究が進んでいる長期的な貯蔵技術だが、「大きな欠陥があることが分かり、当面の間、信頼できる選択肢ではなくなった」とバーニー氏は強調した。

 現在、世界には約25万トンの高レベル放射性廃棄物が14か国にまたがって蓄積されている。(c)AFP