【1月31日 AFP】フランス・リーグ1のナント(FC Nantes)は30日、所属していたエミリアーノ・サラ(Emiliano Sala)選手(28)を乗せた小型飛行機が先週消息不明となってから初めてのホームゲームで、同選手をたたえた。

 サラ選手はナントから移籍先のイングランド・プレミアリーグ、カーディフ・シティ(Cardiff City)に向かう際に、搭乗していた飛行機のパイロットと共に消息不明となっている。英国の航空事故調査委員会(AAIB)はこの日、フランス沿岸に不明機のものとみられる2つの座席用クッションが打ち上げられたと発表している。

 ナントは本拠地スタッド・ドゥ・ラ・ボージョワール(Stade de la Beaujoire)でのサンテティエンヌ(AS Saint-Etienne)戦を前に、センターサークル上でサラ選手の巨大な写真を披露し、元チームメートたちは背中に「エミ(サラ選手の愛称)愛している」としるされたTシャツを着用した。

 スタンドではサポーターがサラ選手を応援する横断幕を掲げ、アルゼンチンの国旗を振り、1分間拍手を行うとサラ選手の名前を大声で繰り返した。

 またナントの選手たちは、自分の名前ではなくサラ選手の名前が入ったユニホームを着用して試合に臨んだ。

 ナントを率いるヴァイッド・ハリルホジッチ(Vahid Halilhodzic)監督は試合前、「消息不明については話しがたい。恐ろしいもので、皆ショックを受けている。希望はわずか、あるいはない。私には知る由もないが、われわれはサプライズを待ち続けている。すぐにでもそれが届くことを期待している。彼は本当に立派で、親切で、礼儀正しくて、人を引き付ける青年で、クラブを愛する選手だ」とコメントしている。

 試合は、ハーフタイムの直前に起きた乱闘騒ぎもあり、両チームともに1人ずつ退場者を出す中で1-1の引き分けに終わった。

 58分にサンテティエンヌは先制点を挙げたが、得点したレミ・カベッラ(Remy Cabella)はゴールを喜ぶことはしなかった。一方、残り20分ほどのところで同点弾を決めたナントのマジード・ワリス(Majeed Waris)は、サラ選手の顔写真が印刷されたTシャツをみせた。

 試合中には、サポーターの「エミリアーノ・サラ、彼はアルゼンチン人、何も諦めたりはしない、エミリアーノ・サラ、エミリアーノ・サラ、エミリアーノ・サラ」という歌声がひっきりなしに響いていた。(c)AFP