【1月31日 AFP】紙巻きたばこの禁煙補助では、ニコチンパッチやニコチンガムといったニコチン代替品よりも電子たばこの方が約2倍効果的であることが、英大などの研究チームの研究で明らかになった。チームは、従来の禁煙補助のあり方を見直すきっかけになる可能性もあると指摘している。30日、医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に論文を発表した。

 それによると、紙巻きたばこを1年間禁煙できた人の割合は、ニコチン代替品を使用した人で9.9%だったのに対し、電子たばこに切り替えた人では18%に上った。

 チームを率いた英ロンドン大学クイーンメアリー校(Queen Mary University of London)のピーター・ハジェク(Peter Hajek)教授によると、最新の電子たばこの禁煙補助に対する有効性を検証したのは今回の研究が初めてだという。

 ただ、研究では、電子たばこに切り替えた人は、電子たばこを吸い続ける可能性がはるかに高くなることも分かった。これは被験者がニコチン依存症を克服できたわけでなく、あるニコチン含有製品から別のニコチン含有製品に切り替えただけであることが示唆されている。

 実験は、英国で禁煙補助を希望する886人を無作為に抽出して実施。パッチやガム、キャンディー、スプレー、吸入器またはこれらの組み合わせといった任意で選ばれたニコチン代替品3か月分か、ニコチン含有液1~2瓶付きの電子たばこスターターキットのいずれかを支給した。(c)AFP/Kerry SHERIDAN