【1月28日 AFP】干ばつに見舞われているオーストラリア東部の主要河川で、魚が再び大量死した。当局や地元住民らが28日、明らかにした。この河川では数週間前にも最大100万匹の魚が死んでおり、生態系における災害が起きているとの懸念が上がっている。

 水産当局によると、ニューサウスウェールズ(New South Wales)州西部の内陸地帯にある町メニンディ(Menindee)で、2か月もたたないうちに3度目となる魚の大量死が確認された。当局は現場に向かっているという。

 メニンディは、マレー・ダーリング(Murray-Darling)水系を構成するダーリング(Darling)川付近に位置する。また全長数千キロのマレー川は複数の州をまたがって流れ、同国の食料庫を支えている。

 メニンディで観光業を営むロブ・グレゴリー(Rob Gregory)さんはAFPの取材に対し、「(死んだ)小魚がたくさんいる。大きい魚はすでに、直近の2度にわたる大量死でいなくなった」と述べ、わずか6メートルの範囲で死んだ魚は380匹を数えたと説明した。

 グレゴリーさんによると、メニンディはニューサウスウェールズ州の極西部地域でトップクラスの好漁場があることで有名で、魚の大量死は、グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)のサンゴ白化などに相当する、環境面での深刻な災害だと主張した。

 この事象の原因について、連邦政府は厳しい干ばつにあるとの見方を示す一方で、専門家や地元住民らは川全体の水量減少と汚染を指摘している。(c)AFP