【1月27日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)の女子シングルスを制し、世界ナンバーワンになるという昔からの夢をかなえた大坂なおみ(Naomi Osaka)に対して、女子テニス界のレジェンドたちから、日本の若きスターには明るい未来が待っていると賛辞の言葉が届いている。

 ペトラ・クビトバ(Petra Kvitova、チェコ)との緊張感あふれる接戦を7-6(7-2)、5-7、6-4で制し、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)に続く四大大会(グランドスラム)連続優勝を飾った大坂は、アジア勢としては男女通じて初の世界ランキング1位になることが確定した。

 シモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)に代わって1位の座に就くことについて、大坂は「新しい世界ナンバーワンになれるなんて、興奮しているどころじゃない」「その場所に立つことをずっと夢見てきたし、ランキング1位にたどり着いた数少ない選手たちの仲間入りができて、光栄に思う」とコメントした。

 21歳と104日でのランク1位奪取は、20歳92日で頂点にたどり着いた2010年のキャロライン・ウォズニアッキ(Caroline Wozniacki、デンマーク)以降では最年少となる。

 大坂は昨年10月の中国オープン(China Open 2018)でベスト4入りし、1995年11月にランク4位となった伊達公子(Kimiko Date)氏以来、日本の女子選手では久しぶりにトップ5の壁を破った。そして今回はそこからさらに一歩前進し、コンピューター計算によるランキングが導入された1975年以降では初となるアジアからのナンバーワン選手となって歴史に名を刻んだ。

 その躍進ぶりは目覚ましい。昨年のこの時期の大坂はランク72位だったが、40勝20敗の成績を残した2018年にトップ10へ駆け上がり、その間にセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)を破った飛躍の全米を含めて二つのタイトルを獲得。全豪制覇でグランドスラムの連勝も14試合に伸びた。

 この快挙を、女子テニスのレジェンドたちも称賛している。現在のWTAランキングの初代ナンバーワンであるクリス・エバート(Chris Evert)氏は、「グランドスラム連勝はまれにみる特別な快挙で、その結果、なおみが女子テニスのトップに立ったことをとてもうれしく思う」とコメントした。

「彼女のエキサイティングなプレースタイル、加えてコート内外で見せる品位は、テニスファンから大いに愛される魅力的な組み合わせ」「まだまだ若く、ナンバーワンとして成長を続けられる大きなポテンシャルを秘めている。将来をとても楽しみにしている」

 同じく元女王のビリー・ジーン・キング(Billie Jean King)氏も、日本人の母親とハイチ人の父親を持つシャイな大坂の姿に感銘を受けている。キング氏はツイッター(Twitter)に「グランドスラム2回目のチャンピオン、おめでとう大坂なおみ!」「あなたの未来は明るい。その才能、熱意、意志の強さがさらなる高みへ連れて行ってくれるでしょう」と書き込んだ。

 マルチナ・ナブラチロワ(Martina Navratilova)氏も大坂に喝采を送り、「全米オープンを勝って大坂なおみはスターになった。そして今、全豪オープンを勝って世界1位になった彼女はスーパースター!」と話している。

 安倍晋三(Shinzo Abe)首相も大坂の優勝が決まったすぐ後にツイッターを更新し、「新たな世界女王の誕生を、大いに誇りに思います」と書き込んだ。(c)AFP/Martin PARRY