【1月26日 AFP】フィギュアスケート全米選手権(U.S. Figure Skating Championships)で通算2度の優勝を誇る23歳のグレイシー・ゴールド(Gracie Gold)は、25日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)のインタビューで、うつ病に悩まされて人生やキャリアに支障をきたし、自殺願望と闘っていたことを告白した。

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 ゴールドは2014年シーズンに輝かしい活躍を見せて以降、フィギュアスケート界で一躍注目を浴びるようになった。その後の3年間は米デトロイト(Detroit)で過ごしていたが、「何か月も自暴自棄だった」として暗黒の時期と振り返った。

「デトロイトのときのような生活が続いていたら、私は死んでいたかもしれない」と話したゴールドは、数年間にわたりカロリー摂取に制限を加えていた後、家族を締め出して食事をむさぼっていたという。

 2014年ソチ冬季五輪の団体戦で銅メダルを獲得し、女子シングルでも4位に入った際、ゴールドには氷上での明るい未来が待ち受けているかと思われた。しかし、2018年平昌冬季五輪を目指す中で、精神衛生上のトラブルに遭遇した。

 復帰戦となった昨年11月のグランプリ(GP)シリーズ第5戦、ロシア杯(Rostelecom Cup 2018)ではショートプログラム(SP)で10位に沈み、フリースケーティング(FS)を棄権。現在行われている全米選手権も出場を見送った。

 ゴールドはソチ五輪を控えて体重への不安を募らせたことで、カロリー摂取量を極端に控えるようになってしまったと明かし、痩せすぎていると心配する母親をよそに、「体重を落とせば落とすほど、氷の上では機敏に速く滑れる気がしていた」と明かした。

 キャリア2度目の全米制覇を成し遂げた後、ゴールドは2016年の世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2016)でメダルを逃して打撃を受けた。その年の米代表合宿では、チームメートのアシュリー・ワグナー(Ashley Wagner)が、ゴールドが苦しんでいることに気付いたという。

 さらに一年後の代表合宿で「心が折れた」ゴールドは、全米フィギュアスケート協会(USFSA)が費用を負担する形で、ようやく摂食障害の入院治療プログラムを受けることになった。

 現在は再びトレーニングを行っている最中で、健康的な食事と新しいコーチの下で体調を整えているというゴールドは、スケートを再開したことで新たな始まりを感じている。3回転ルッツをきれいに着氷できたときは達成感を覚えたといい、「あの瞬間が、どれほど奇跡的なことか忘れていた」と語った。(c)AFP