【1月26日 AFP】ギリシャ議会は25日、隣国マケドニアの国名を「北マケドニア共和国」に変更する画期的な2国間合意を僅差で承認した。世界で最も長く続いてきた外交争議の一つが幕を閉じることになり、各方面からこの「歴史的」な日を称賛する声が上がっている。

 国名変更案については世論の反発が強かったものの、議会の採決では議員300人のうち153人が賛成票を投じた。同案は今月11日、マケドニア議会でも承認されていた。

 ギリシャ政府は1991年以降、同国北部に同名の地域があることを理由に、マケドニアの国名に異議を唱えてきた。この地域はギリシャ国民の誇りの源であるアレキサンダー大王(Alexander the Great)の帝国発祥の地でもある。

 国名変更案は国連(UN)が仲介したもので、最終確定にはギリシャがマケドニアの北大西洋条約機構(NATO)加盟を承認する必要がある。この承認をめぐる採決は来月に見込まれている。

 ギリシャのアレクシス・チプラス(Alexis Tsipras)首相はツイッター(Twitter)への投稿で「きょうは歴史的な日だ」と表明。マケドニアのゾラン・ザエフ(Zoran Zaev)首相もツイッターで、チプラス首相を祝福し「われわれは人々と共に歴史的勝利にたどり着いた」と述べた。

 欧州連合(EU)のドナルド・トゥスク(Donald Tusk)大統領は両国が「不可能な任務」を達成したと称賛。ドイツ政府も「外交の勝利」とたたえた。

 合意をめぐっては両国で抗議デモが行われており、時に衝突にも発展。ギリシャ議会前では25日、数十人が抗議を行った。ギリシャのスカイTV(SKAI TV)が24日夜発表した世論調査結果では、回答者の62%が合意に反対、支持は27%にとどまっている。(c)AFP/John HADOULIS