【1月25日 AFP】オランダの首都アムステルダムにあるゴッホ美術館(Van Gogh Museum)は24日、所蔵する同国の巨匠ビンセント・ファン・ゴッホ(Vincent Van Gogh)の作品「ひまわり(Sunflowers)」について、修復作業を経て、「破損しやすい」状態であることが判明したため、今後は貸し出しを行わないと発表した。

 同美術館は、世界に5作品しか現存かつ美術館所蔵されていないゴッホの傑作「ひまわり」のうちの1作品を所蔵しているが、国外に貸し出すことはまれで、2014年を最後に貸し出しを行っていない。

 だが、修復に関わった国際的な専門家チームは、130年前の絵画にとってはそれでも負担が大きいと述べ、今後は「アムステルダムの我が家にとどまる」べきだと指摘した。

 ゴッホ美術館のアクセル・リューガー(Axel Rueger)館長は、「重要な調査結果の一つは、絵具の層などは安定しているものの、湿度や気温の変化、振動に対しては非常に敏感だということだ」「従って、同絵画は安定した気象条件の下で、できるだけ移動させないようにすることが重要だ。当美術館は、一切のリスクを避けるため、今後は『ひまわり』の貸し出しを行わないことを決定した」と述べた。

 ゴッホ美術館は、1973年の開館以来、同作品の貸し出しを6回しか行っていない。2014年に英ロンドンのナショナルギャラリー(National Gallery)に貸し出されたのが最後で、その際には同美術館が所蔵する「ひまわり」の横に並べて展示された。

 他の3作品は、独ミュンヘン(Munich)、米フィラデルフィア(Philadelphia)、東京の各美術館に所蔵されている。(c)AFP