■ウィーチャットに脅威となるか?

 テンセントがSNSの微信(ウィーチャット、WeChat)で発展してきたことはよく知られているが、同社にとっては言わば「縄張り」に、3社が揃って足を踏み入れてきたことになる。

 ウィーチャットのユーザー数は現在、10億人を超え、毎日のアクティブユーザー数は約7億5000万人、毎日の訪問回数はのべ約100億回に上る。全世界で、これだけの規模のIT企業は多くはない。

 3社の集中攻撃に対して、ウィーチャットは持ちこたえられるのか。この問いに対し、DCCIの劉興亮(Liu Xingliang)院長は「同類の製品であれば、ウィーチャットが負ける可能性はほとんどない。ウィーチャットが将来負けることがあるとすれば、それは、ウィーチャットと全く異なる製品を持つ相手だろう」と話している。

■「頭条 vs テンセントの戦い」勃発?

 劉院長によると馬桶MTと聊天宝は力不足だが、頭条の張CEOによる「多閃」は注目するに値するという。

 その根拠は、膨大なユーザー数だ。今月のティックトックの毎日のアクティブユーザー数は2億5000万回、月間アクティブユーザー数は5億回に上り、「全国民的」なアプリとなっているという。

 張CEOは2018年上期、「もしテンセントがアプリや情報の流れを勝手に封殺しなければ、もっと尊敬に値する会社になる」と述べた。これに対し、テンセントの馬化騰(Pony Ma)CEOは、「考えすぎ!プラットフォームの運営は一律平等だ」と一蹴した。

 2018年の第1四半期、「抖音」の国際版「ティックトック(TikTok)」がアップルストア(Apple Store)でダウンロード数世界一を記録した際、張CEOは「ウィーチャット運営における他社締め出しや『微視(Weishi、テンセント系ショート動画)』の物まね運営では我がティックトックの歩みを止めることはできない」と発言している。これに対し馬CEOは「誹謗中傷だ」、と互いに火花を散らしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News