【1月25日 CNS】中国の月探査機「 嫦娥4号(Chang'e-4)」はなぜ、月の昼間に作業をして夜は休むという二つのモードになっているのか。

 これについて中国国家航天局・探月与航天工程中心では、月の夜が長く、光が無い「極低温環境」の技術的難問に対応するため、月面観測の方式を月の昼間に作業して夜は休むという「切り替えモード」にしたと明らかにしている。

 月は地球と同様に自転運動をしており、月にも白昼と暗夜が存在する。しかし月の自転周期は「一恒星月(27日7時間43分11.47秒)」に等しく、月の1日は地球のおよそ1か月に相当する。月の一度の昼間は地球の14日に相当し、夜の時間はやはり約14日となる。

 月の夜は光や太陽の放射熱流が無く、月表面の赤外線熱流も非常に少ない。また、月には大気がないので月面表土の熱伝導係数は小さく、夜になると月の表面温度は約マイナス180度まで急速に降下する。この長時間の低温環境が月探査機の「生存技術」に厳しい挑戦をつき付けている。

 嫦娥4号が今月3日に月面着陸して以来、探査車の分離と相互撮影が完了し、科学探査活動を進めた。その後、嫦娥4号の着陸地点が月の夜間に入り、探査車はそれぞれ12日と13日に相次いで休眠モードに入った。

 月の昼間の作業モードでは探査車は各々の設備系統で正常に作業し、月面科学探査の任務を遂行している。しかしその間で月の正午に当たる期間は、探査車は「昼休み」モードになる。月の夜の休眠モードの時は探査機と探査車は、電気回路の定時制御器と夜間温度測定器以外のすべての設備の電源を切り、観測を行わない。

 探査機と探査車が安全に月の夜を過ごせるよう、放射性同位元素の熱源の取り込みによって夜間の熱源を供給し、設備機器の保管温度の要求を保証することで「光が無く、極低温」という難題を解決している。(c)CNS/JCM/AFPBB News