【2月2日 CNS】昨今の中国で、車は横断歩道の前で止まり歩行者に譲り、歩行者が道を渡るのが都市の普通の光景となったが、時として、横断歩道上でスマホに見入ったりゲームをしたりする人がいる。中国・浙江省(Zhejiang)温州市(Wenzhou)公安局交通警察支隊によると、先月1日に「温州市文明行為促進条例」が施行され、横断歩道上でスマホを見ていたとして、先月半ばの時点で2件の違反行為が処罰されたとしている。

「おはようございます! あなたは先ほどスマホを見ながら横断歩道を渡っていましたね。『温州市文明行為促進条例』の定めにより、歩行者が道を渡る際に携帯電話を見た場合、10元(約160円)の反則金を科すことになっています」。胡さんは14日午前9時24分、横断歩道上の「低頭族(訳注:いつも下を向いてスマホを見ている人の呼称)」として、温州交通警察によりその場で反則切符を切られた。

 警察によると、これは「温州市文明行為促進条例」の第11項にある「非文明的行為」の処罰に関する条項に基づく。ヘルメットをかぶらずに電動自転車に乗った場合や、道路を渡る際に歩行者が携帯電話やゲームをして車両やほかの歩行者の通行を妨げるなどの非文明的行為に対し、処罰を与えることができるとしている。

 交通警察は、「横断歩道を渡る際に下を向いてスマホをいじっていれば、路上を走ってくる自動車が見えず非常に危険だ。歩く速度が遅ければ、交通の妨げとなる。処罰は目的ではない。歩行者の方は、これをきっかけとして安全で文明的に横断歩道を渡ってほしい」と説明する。

 同市では1月11日から「ヘルメットを被らずに電動自転車に乗るなどの違反行為」に対する取り締まりも実施されており、同月14日午後5時の時点で、市全域で「電動自転車ヘルメット不使用」の違反行為20727件が摘発されたとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News