【1月22日 AFP】涙目や喉の痛みなどを引き起こす大気中の微小粒子状物質(PM2.5)が中国の都市生活で大きな問題となっている中、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは21日、PM2.5の濃度が上がるにつれて市民の幸福度が下がることがソーシャルネットワーク(SNS)の投稿の分析で明らかになったとする論文を発表した。

 論文の主筆者でMITの中国未来都市研究所(China Future City Lab)所長を務める同大のスーチー・ジェン(Siqi Zheng)准教授はAFPの取材に「要点は単純です」と語る。「世界で最も人口の多い中国では、大気の汚染レベルが高いほど、人々の幸福度は低下しているのです」

 中国都市部の生活では、住宅価格の高騰や食品の安全性への懸念、貧弱な公共サービスなど、大気汚染以外の悩みも少なくないが、中国で台頭する中間層は健康をむしばむ大気汚染に不満を募らせてきた。特に石炭火力発電所や工場から排出され、呼吸によって肺に取り込まれる微小粒子は深刻だ。

 こうした都市部の大気汚染レベルと、日々の生活における市民の気分への影響を調べるため、ジェン氏らのチームは機械学習アルゴリズムを用い、国内144都市で中国最大のマイクロブログサイト「微博(ウェイボー、Weibo)」に2014年に投稿された2億件以上のメッセージを調べた。

 投稿内容をキーワードや内容に応じた「幸福表現インデックス」で精査し、これを大気中のPM2.5レベル変動と突き合わせたところ、「一方が上がると、もう一方は下がるという、顕著な負の相関関係」がみられた。さらに、男性よりも女性の方が大気汚染レベルに敏感だったという。

 今回の調査対象となった144都市の平均PM2.5濃度は1立方メートル当たり55マイクログラムで、世界保健機関(WHO)が定める上限を大幅に超えている。中国では、人口の半数を超える約7億人が都市部に暮らしている。(c)AFP/Marlowe HOOD