【1月22日 AFP】レストラン格付け本として名高い「ミシュランガイド(Michelin Guide)」の星を返上して業界を驚かせたフランス人シェフの店が、21日発表された同ガイドの2019年版に再び掲載された。シェフは再掲に気づいた時の心境を「驚いた」と述べ、ミシュラン側の決定に疑問を呈している。

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 南仏ライヨール(Laguiole)のレストラン「ルシュケ(Le Suquet)」のシェフ、セバスティアン・ブラス(Sebastien Bras)氏(47)は2017年9月、ミシュランガイド掲載に伴う「とてつもない重圧」を理由に、三つ星評価を受けていた同店を2018年版から除外するよう要請。ミシュラン側はこれを受け入れ、2018年版への同店の掲載を控えた。

 当時、同社の副社長としてブランド管理を担当していたクレール・ドルラン・クローゼル(Claire Dorland Clauzel)氏はAFPに対し、「掲載を望まないレストランをガイドに載せることは難しい」と述べていた。

 ブラス氏は昨年1年間、ミシュランの厳格な基準に達しているかどうかを気に掛けることなく、自身の店で独創的なフランス料理をつくり続けた。

 しかし、ブラス氏は21日、「ルシュケ」がミシュランガイド2019年版に二つ星の評価で掲載されているのを発見。AFPに対し、この時の心境を「驚いた」と語っている。

 同氏は「星やガイドの戦略のことはもうどうでもいいが、この矛盾した決定には疑問を感じる」と述べた。(c)AFP/Aurélie MAYEMBO and Katy LEE