【1月19日 AFP】フランスの元落下傘兵、ジャンマルク・ミショー(Jean-Marc Michaud)さん(41)は20年前の国民の祝日、パリのシャンゼリゼ(Champs-Elysees)通りで行われた軍事パレードに誇らしい気持ちで加わっていた。

 しかし、ミショーさんはAFPの取材に、最近は「もうフランスを少しも誇りに思わない」と語っている。先週末、南西部ボルドー(Bordeaux)で反政府運動「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」のデモに参加した際、ゴム弾に当たって片目を失明したのだ。

 ミショーさんのほかにも、警察との衝突でこれまでに数十人が重傷を負っている。警察は40ミリのゴム弾やスタングレネード(閃光音響弾)を使うなど、強硬な戦術を取ることがあり、そのやり方に批判の声が高まっている。

 ジレ・ジョーヌ運動は昨年、燃料税に対する抗議行動として始まった後、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領に対する抗議運動へと拡大。全土で週ごとにデモが行われ、警察との間で暴力的な衝突も起きてきた。

 警察による暴力への抗議運動を行う仏活動団体「ディスアーム(Disarm)」の報告によると、全土での抗議デモが始まった昨年11月17日以降、98人が重傷を負い、このうち15人が片目を失明した。

 また仏日刊紙リベラシオン(Liberation)によれば、77人が頭部に重傷を負い、うち71人がゴム弾、残りがスタングレネードによって負傷した。

 今月10日にボルドーで行われた抗議デモでは、頭部にゴム弾を受けたとみられる男性が脳卒中を発症。ソーシャルメディアで拡散した動画には、退散するデモ参加者らの頭の高さに弾丸を発射する警官や、地面に倒れるこの男性の姿が捉えられており、怒りの声が広がった。

 ジャック・トゥーボン(Jacques Toubon)権利擁護官は17日、ゴム弾を発射するいわゆる「防御弾発射装置(LBD)」の使用中止を要請した。

 一方、警察と政府はゴム弾の使用を擁護している。警察筋はAFPに対し、「われわれはガラス瓶やコンクリートブロック、酸、ボルトで襲われている。LBDは威嚇用の武器だ。それを取り上げられたら、抗議の際に出動しようという警官はいなくなる」と述べた。(c)AFP