【1月17日 AFP】コンゴ民主共和国西部で昨年12月16~18日、民族間の衝突が発生し、少なくとも890人が死亡した。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が16日、明らかにした。

 OHCHRが「信頼できる筋」からの情報として明らかにしたところによると、首都キンシャサから北へ約300キロ離れたマインドンベ(Mai-Ndombe)州の4つの村で、バヌヌ(Banunu)人とバテンデ(Batende)人によるものとみられる衝突が発生した。

 他に少なくとも82人が負傷したと伝えられており、最終的な死傷者数はさらに増える見通し。

 同国政府のランバール・メンドゥ(Lambert Mende)報道官はAFPに対し、OHCHRが発表した死者数については認めず、「政府に報告された最新の推計によると、死者数は100人前後」と述べた。

 今回の衝突とは無関係ながら、昨年12月30日に大統領選挙が実施された同国では、同規模の暴力抗争により、一部地域での投票の延期が要請される事態となっていた。

 バヌヌ人とバテンデ人は長年にわたって対立を繰り広げており、今回の衝突もそれに根差したものとみられるが、直接のきっかけは、バヌヌの人々が昨年12月13日夜、自らの首長をバテンデ人の土地に埋葬したことだった。

 OHCHRによると、小学校2校、保健施設1軒、商業施設1軒、選挙管理委員会の事務所1軒を含む、465棟前後の建物が焼き討ちや略奪の被害を受けた。今月までに、1万6000人が4つの村から隣国のコンゴ共和国に避難したという。(c)AFP/Samir TOUNSI with Agnes PEDRERO in Geneva