【1月15日 AFP】世界で初めて月の裏側への着陸に成功した中国の探査機「嫦娥4号(Chang'e-4)」内で、綿花の種が発芽した。研究者らが15日、発表した。月での植物の発芽は史上初めて。

 重慶大学(Chongqing University)の先進技術研究院(Advanced Technology Research Institute)が公開した一連の写真によると、この種子は同機が月に着陸した後、容器の中にある格子状の構造体内で発芽した。

 実験計画を主導した謝更新(Xie Gengxin)氏は「人類が月面で生育実験を行ったのはこれが初めて」だとしている。

「月のミニ生態系」実験を計画した同大の研究者らは、空気と水、土が入った18センチのバケツ状の容器を月へと送り出した。その中には綿花の他に、ジャガイモやアブラナの種、ミバエの卵と酵母も入っている。

 探査機から送られてきた画像では、綿花の芽は良く育っているものの、他の植物の発芽はみられないと、同大は明かしている

 中国の月の女神の名前を冠したこの探査機は、今月3日に世界で初めて月の裏側に着陸。「宇宙強国」を目指す中国にとって、大きな一歩となった。(c)AFP