【1月15日 AFP】ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は14日、日本の河野太郎(Taro Kono)外相との会談後に記者会見し、両国が平和条約交渉を続けるには、南クリール諸島(South Kuril Islands、日本の北方領土)全島へのロシアの主権を日本政府が認める必要があると述べた。 

 日本の安倍晋三(Shinzo Abe)首相、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は昨年行った首脳会談で、第2次世界大戦(World War II)の平和条約の締結に向けた取り組みを増すことで合意しており、今回の外相会談はそれ以降初めて開かれたもの。

 日本側は戦後の交渉で、旧ソ連軍が終戦間際に占領した北方領土に対する主権を主張。これを受け、協議は数十年間にわたり停滞した。

 ラブロフ外相は、「クリール諸島南部の全島に対するロシアの主権を含め、日本が第2次世界大戦の結果すべてを、議論の余地なく認める」のであれば、ロシア政府は平和条約締結に取り組む用意があると語った。

 同外相は、2国間協力におけるロシア政府の目標の一つとして日ロ間での査証(ビザ)免除を挙げ、この取り組みは日本側が同諸島在住のロシア国民のビザ取得を免除することから始められるとした。

 日本の大菅岳史(Takeshi Osuga)外務報道官はモスクワで記者団に対し、両外相は真剣かつ率直な協議を行ったと述べたが、詳細には言及しなかった。(c)AFP/Maria ANTONOVA