【1月11日 AFP】ロシア連邦通信・情報技術・マスコミ監督庁(ロスコムナゾール、Roskomnadzor)は10日、英国放送協会(BBC)がロシア語のインターネットサービスを通じて「テロリスト集団」の思想を拡散していると非難し、ロシアの法律に抵触していないか調査する方針を明らかにした。

 ロシアは、英情報通信庁(オフコム、Ofcom)が昨年ロシア政府系テレビ局RTを放送規範に違反していると判断して以降、英BBCに対する圧力を強めており、両国間でメディアの公平性をめぐる応酬が激化している。

 ロスコムナゾールの声明は、BBCのロシア語ウェブサイト上で「国際テロリスト集団の思想信条を伝える情報資料を発見した」と主張。それはイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の最高指導者アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者の発言だったとしている。

 ロシアの法律は「テロリスト」とみなされる人物の発言の引用を禁じていないが、テロリスト集団に言及する際には、同時にその集団がロシアでは違法だと明言しなくてはならない。ロスコムナゾールは、BBCが伝えた内容が「ロシアの過激派対策法に則しているか」を調査すると述べている。問題とされた記事は特定されておらず、掲載日時がいつかも不明。

 BBCはAFPに送った声明で、活動する「全ての国の法律・規制を順守している」と表明している。(c)AFP