【1月10日 AFP】古くは印刷機からVCR(ビデオカセットレコーダー)、バーチャルリアリティー(VR)セックスに至るまで、アダルト・エンターテインメントは常に、ポルノ界に革新とテクノロジーの改良を促してきた。

 そして米ネバダ州ラスベガス(Las Vegas)で開催中の世界最大級の家電見本市「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(International Consumer Electronics ShowCES)」を訪れる大勢のテクノロジー愛好家にとって、大人のおもちゃは、インテリジェント・トースターや人工知能(AI)搭載掃除機などから場所を空けてもらうべき存在なのだ。

 全米民生技術協会(CTA)主催の今年の見本市で展示されているハイテク製品の中には、仮想ポールダンサーを備えたストリップクラブや、スマートウオッチから操作することのできる「個人用マッサージ師」があり話題となっている。

 英アダルトグッズ販売店「ミステリーバイブ(MysteryVibe)」によると、バイブレーターや潤滑剤といったアダルトグッズの市場は、2022年までに世界全体で372億ドル(約4兆円)規模に成長すると見込まれている。

■驚くような製品

 アダルトサイト「ノーティー・アメリカ(Naughty America)」の「ストリップクラブ」は、スマートフォンやタブレット上の機能を利用して、利用者の周囲に男性ストリッパーや女性ストリッパーの立体画像を投影することができる。

 同社のアンドレアス・フロノプロス(Andreas Hronopoulos)最高責任者はAFPの取材に対し、「本当にすごいですよ」「完璧なストリッパーを部屋に連れてこられるんですから。ポールがあって、彼女がいる。チップを渡す必要もありません」と語った。

 バーチャルパフォーマーが位置に着いたら、まるで実際にダンサーがそこにいるかのように、観客はその周囲を移動できる。ヘッドギアには、ストリッパーの目線から周りを見渡せるオプションもある。

 アダルトエンターテインメント業界には、製品改良や利益向上を約束してくれる新たなテクノロジーを大胆に追い求めてきた歴史がある。Eコマースやストリーミングビデオ、ウェブカメラからケーブルテレビ、字幕に至るまで、すべてを自分たちの製品に取り入れてきた。

 米調査会社ガートナー(Gartner)のテュオン・グエン(Tuong Nguyen)主任アナリストはAFPの取材に対し、「テクノロジー業界は、彼らから教えられることがあると思う」と語った。