【1月10日 AFP】カナダ最東部ニューファンドランド(Newfoundland)島沿岸の町ロディクトンバイドアーム(Roddickton-Bide Arm)で、入り江の水が凍結したため海に戻れなくなった約40頭のアザラシが町に迷い込んでしまい、住民らは9日、同国の漁業海洋省に対応を求めた。

 凍結したのは1週間ほど前で、アザラシは道路上や店舗の入り口前で立ちふさがるなどしている。だが、カナダでは法律により海洋生物に干渉する行為は禁じられており、またアザラシがかみつく可能性もあるため、住民は対処のしようがないという。

 夜に2頭のアザラシが車にひかれる事故も発生しており、住民は餌にありつけなくなったアザラシが餓死してしまうのではないかと懸念しているという。

 ロディクトンバイドアームのシーラ・フィッツジェラルド(Sheila Fitzgerald)町長は地元紙のインタビューで、「アザラシたちの動きが鈍くなってきている」と指摘。また「アザラシたちが苦しむ姿を見るのは本当に心が痛む」と胸の内を語った。

 アザラシは通常、越冬のためカナダ北極圏やグリーンランド沿岸から南へ移動し、ニューファンドランド島の沿岸へとやって来るという。(c)AFP