【1月9日 AFP】米ネバダ州の刑務所で、殺人罪で死刑判決を受けて速やかな刑の執行を繰り返し求めていた死刑囚が死亡しているのが見つかった。自殺とみられている。刑務当局が8日発表した。

 ネバダ州矯正局(NDOC)によれば、遺体で見つかったのはスコット・レイモンド・ドージャー(Scott Raymond Dozier)死刑囚(48)。州立エリー刑務所(Ely State Prison)の独房内で5日に自ら首をつったとみられ、検視が予定されている。

 地元紙ラスベガス・レビュー・ジャーナル(Las Vegas Review-Journal)にドージャー死刑囚の弁護士が語ったところによると、同死刑囚は過去に自殺を図ったことがあるものの、最近は精神状態が良い様子で、自殺防止のための監視は行われていなかった。

 ドージャー死刑囚は元麻薬密売人で、同じく麻薬密売人だったジェレマイア・ミラー(Jeremiah Miller)容疑者を2002年に殺害した罪で、2007年に死刑判決を受けた。この事件では被害者の頭部が切断され、ラスベガス(Las Vegas)にあったスーツケースの中から胴体が見つかった。

 このほかにドージャー死刑囚は、別の麻薬密売人が殺害され、砂漠に遺体が埋められた事件でも有罪判決を受けていた。

 ドージャー死刑囚は控訴権を行使せず、複数のテレビインタビューで刑の執行を強く望む意思を示したことで注目を集めた。先月にはバイス・ニュース(Vice News)に対し、「死にたいわけではない。だが、刑務所にいるより死ぬ方がましだ」と述べていた。(c)AFP