【1月10日 CNS】北京化工大学(Beijing University of Chemical Technology)3年生の李さんはある日、中国のアリババ系大手通販サイトである天猫(Tmall)でキウイフルーツを注文した。李さんはその後、2018年の中国の宅配個数が500億個突破を目撃することになった。李さんの荷物は、大手宅配会社である中通快逓(ZTO Express)によって陝西省(Shaanxi)武功県(Wugong)から北京化工大学にある「菜鳥(Cainiao)」中継ステーションまで運ばれた。

 中国・国家郵政局によると、中国の宅配荷物の配達量は昨年12月28日の時点で500億個を超え、5年連続で世界一となった。2013年の92億個から始まって高速成長の道をたどり、2014年に139億6000万個に達し、米国を抜き世界一になった。これほど多くの荷物がどのように効率よく配達されたのか? 原因は2つしかない。協業によってネットワークを構築したことと、スマート技術の支えだ。

 アリババ系物流の「菜鳥網絡(Cainiao Network)」は、2013年からスマート物流の根幹となるネットワークを作り始め、未来に1日10億個の荷物配送をできるようにするためのインフラを作ったのだ。阿里巴巴(アリババ、Alibaba)の馬雲(ジャック・マー、Jack Ma)会長は、2018年の世界スマート物流会議(Global Smart Logistics Summit)の席上、「物流会社にとって、単独の『点』は価値がない、多くの『点』が必要だ。そしてそれらの『点』をつなげてネットワークにすれば、効果が出る。このネットワークは、もっと早く、もっと効果的に、もっと正しく個々の配達員をつなぎ、それぞれの倉庫をつなぎ、各々のハブをつなぎ、各都市と家庭をつなげば、24時間で貨物は中国全土に配達され、72時間で全世界に配達できる」と語った。

 現在、中国の宅配物流業は「1+8+N」のネット協業効果を持つようになった。

「1」とはアリババや菜鳥のような一流の物流ネットワークを指し、菜鳥はブレーンの役割を担う。「8」とは中国郵政、中通など7社の上場会社を指し、業界のトップ企業として、荷物の輸送と配送の役目を担う。「N」とは倉庫、商品代金回収、即時配達、物流技術などを含む物流周辺の末端諸サービス企業を指す。

 物流業がデジタル化の時代に入るにつれ、菜鳥のスマート技術は、「1+8+N」のネットワークのレベルアップを推進する力となっている。無人運転や顔認証ボックス、「音声助手」など、IoT(モノのインターネット)と人工知能(AI)が物流のあらゆる段階で広く利用され、500億個の宅配荷物が安定して配達されることを保障しているのだ。(c)CNS/JCM/AFPBB News