【1月10日 Xinhua News】中国の陜西省楡林(Yulin)市神木(Shenmu)市(楡林市の管轄下にある県級市)に位置する石峁(シーマオ、Shimao)遺跡からこのほど、30点余りの石刻が出土した。

 これらの石刻の大多数は石の一面に彫刻された単面彫刻。主に減地(表面の削剥)陽刻技術で、符号や人面、神面、動物、神獣などが彫られている。また、一部の絵は長さが3メートル近くで、中央にある前向きの神面を中心に、両側に動物や人の横顔が左右対称に彫られており、成熟した芸術コンセプトと巧みな彫刻技術を見せている。

 考古学専門家によると、これらの石刻は4000年以上前の石峁の人々が皇城台の大台基(大きな基壇)を精神的なよりどころとする思いを反映したものだと考えられるという。同時にこれらの石刻は、中国東北地区の先史時代に存在した興隆窪(こうりゅうわ)文化時代や紅山(こうざん)文化時代の石造りの人型彫刻と共に、中国の北方地域に見られる石刻の「伝統」を構成し、中国の先史文明の中で独特な文化要素を形成した可能性を示している。

 さらに、石峁遺跡の石刻と中国西北地区から中央アジア地区にかけて見られる「草原の石像」との文化的な関係は、現時点では不明だが、両者の「関連」について学会は関心を示している。もしかすると、4000年以上前のユーラシアに存在した東西草原文明の交流や連動を示す重要な存在なのかもしれない。(c)Xinhua News/AFPBB News