■自動車で近道して燃費を上げる仕組みに似ている

 論文の主執筆者のドナルド・オルト(Donald Ort)氏は、AFPの取材に「自動車を運転しているときに近道すれば、走行距離が短くなり、使用する燃料が少なくなる(のに似ている)」と説明した。

 植物の光呼吸に使われるエネルギーが少なくなれば、「そのエネルギーを確保して、毒性化合物の代謝に使うのではなく、植物の成長や生産性に投入することが可能になる」わけだ。

 今回の研究が特に重要な意味を持つ理由は、この遺伝子組み換え技術が実験室の環境ではなく露地でこれほど大きな結果を生んだのはこれが初めてだからだ。光呼吸の制限を試みた他の技術では、植物の他の機能が阻害される結果となることが多かった。

 とはいえ、産業規模で利用可能なレベルにはまだ至っていない。研究チームはダイズ、ササゲ、ジャガイモなどを用いて今回の結果を再現することを目指している。また、特にアフリカや東南アジアなどの多様な気候でこの技術を正しく機能させる課題も抱えている。(c)AFP/Ivan Couronne