【1月7日 AFP】第17回アジアカップ(2019 AFC Asian Cup)は6日、各地で試合が行われ、グループAではインドがタイに4-1で勝利した。この一戦で2得点をマークしたスニル・チェトリ(Sunil Chhetri)は、代表チームでの通算得点数でアルゼンチンのリオネル・メッシ(Lionel Messi)を上回った。

 冠水したタイの洞窟に2週間以上閉じ込められた後に救出された12人の少年たちもこの一戦を観客席から見守ったが、タイはインドのあふれんばかりのエネルギーに対処する術をほとんど持ち合わせていなかった。

 チェトリは27分にPKを決めチームに先制点をもたらすと、メッシを抜き代表での通算ゴール数を66とした。現役の代表選手でチェトリよりゴール数が多いのは、ポルトガル代表で85得点を挙げているクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)のみとなっている。

 34歳のチェトリは「選手みんなのことを考えるとただうれしい。試合後、彼らの顔を見たらどれだけ喜んでいたのかが分かった」と話した。

「インドのファンは素晴らしかった。だからチームが勝ち上がり、彼らにより応援してもらえるだけのことができればうれしい」

 先制されてから7分後、タイはティーラトン・ブンマタン(Theerathon Bunmathan)のFKに主将のテーラシル・ダンダ(Teerasil Dangda)が勇気を持って頭で合わせ、試合を振り出しに戻した。

 しかし後半早々、ウダンタ・シン(Udanta Singh)が右サイドのタッチライン沿いを駆け上がると、チェトリが再びネットを揺らしインドが逆転に成功。

 68分にはアニルト・タパ(Anirudh Thapa)がチップキックで3点目を挙げ、途中出場のジェジェ・ラルペクルア(Jeje Lalpekhlua)がさらなる追加点をマークし、インドがグループAの首位に浮上した。

 インドを率いるスティーブン・コンスタンチン(Stephen Constantine)監督は、「4-1での勝利を予想していたかって? いやいや。われわれは調子に乗っているわけではない」と主張した。

「1試合が終わったにすぎない。選手を落ち着かせるのに何も問題はないし、そのことを心配する必要はない」

 かつてマラウイやスーダン、ルワンダを率いた英国出身のコンスタンチン監督は、主力選手たちと衝突し、チェトリからキャプテンの座を剥奪したことで国民を落胆させた。

 しかし、インドのメディアから質問を受けたコンスタンチン監督は「キャプテンをローテーションで回すことに議論の余地はない!」と言い返した。

「私はもう4年もこのチームを率いている。キャプテンだろうとなかろうと、チェトリは出場したすべての試合で全力を尽くしている」 (c)AFP/Alastair HIMMER