【1月5日 AFP】ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州で4日、同国の独立記念日に合わせてラカイン族の武装集団「アラカン軍(AA)」が警察署を襲撃し、警官13人が死亡した。同組織が犯行声明を出した。

 ラカイン州ではこの数週間、仏教徒であるラカイン族の自治拡大を求めるアラカン軍と、多数のラカイン族を追放して取り締まってきた治安部隊との間で激しい闘争が続いていた。

 アラカン軍幹部は4日深夜、ロシアのソーシャルネットワークサービスに投稿した声明で、同組織の戦闘員約350人が4日早朝、ラカイン州北部の警察署4か所を包囲し、「警官13人を殺害し、9人を負傷させた」ことを発表。さらに、2機の戦闘ヘリコプターと歩兵部隊に反撃される前に署から大量の武器と弾薬を奪ったことも明らかにした。4日のフェイスブック(Facebook)上の投稿では、「(ミャンマー国軍により)戦闘員3人が死亡し、複数が負傷した」とも述べている。

 4日は、1948年にミャンマーが英国の植民地支配からの独立を宣言した記念日で、同国にとって非常に象徴的な祝日だった。

 今回の襲撃で、民族・宗教間の憎悪によって不安定な状況が続くラカイン州には新たに複雑で危険な要素がもたらされた。ラカイン州では2017年、軍の残酷な弾圧によって数十万人のイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が国境を越えて隣国バングラデシュに逃れることを余儀なくされた。(c)AFP