【12月31日 AFP】アフリカ中部のコンゴ民主共和国で30日、大統領選の投票が始まった。現職のジョゼフ・カビラ(Joseph Kabila)大統領が任期切れ後も居座ったため、当初予定より2年遅れの実施となった。選挙での大統領交代が実現すれば、1960年にベルギーから独立して以来初の平和的な政権移行となるが、カビラ氏に対する不信感や選挙への組織的な妨害行為などから混乱に陥る恐れが強いとみられている。

 暫定的な開票結果は来年1月6日までに発表される見通し。

 地元カトリック司教協議会(Catholic Bishop Council)は78%の投票所での監視活動に基づき、投票は「比較的平穏」に行われたとしている。一方で、治安が不安定な東部・南キブ(South Kivu)州の投票所では、警察官1人、選管当局者1人、市民2人が衝突で死亡したとの情報がある。

 カビラ氏は30日夜、国営テレビに登場し、国民は「平和的に、尊厳をもって」投票したとたたえた。しかし投票の再三の延期や、投票日の混乱に対する懸念、投票機の不正操作への疑いから、選挙への信頼は揺らいでいる。

 投票日前日には、暴力行為の回避に向けた野党候補らとカビラ氏の後継指名者の協議も決裂した。野党の有力候補、マルタン・ファユル(Martin Fayulu)氏とフェリックス・チセケディ(Felix Tshisekedi)氏は、カビラ氏が後継指名したエマニュエル・ラマザニ・シャダリ(Emmanuel Ramazani Shadary)元内相との行動規範案に署名することを拒否。選挙管理委員会が同案の変更を妨害していると非難した。(c)AFP/Marthe BOSUANDOLE with Jean-Pierre CAMPAGNE in Goma