【12月31日 AFP】アフガニスタンの選挙管理委員会は30日、来年4月20日に予定していた大統領選を7月20日に延期すると発表した。大統領選をめぐっては、政府と旧支配勢力タリバン(Taliban)による和平協議のために時間を確保する必要から、延期されるとの観測が流れていた。

 アフガニスタンでは10月に下院選が実施されたが、投票日には襲撃で多数の死傷者が出るなど混迷を極め、いまだに最終結果が出ていない。そのため、大統領選を来年4月に実施するのは現実的ではないとの見方も多くの専門家から出ていた。

 選管の幹部は記者団に対し、先に延期を発表していた南東部ガズニ(Ghazni)州の議会選を含め、州議会や地方議会の選挙も7月20日に実施すると明らかにした。

 再選を目指すアシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)大統領の報道官は、大統領選を先送りにした選管の決定を歓迎する声明を出した。

 選管は延期の理由として、4月は国内の大半の地域がまだ寒冷であること、4つの選挙を一度に実施した方が全体の費用を抑えられること、治安部隊による各投票所の保護も簡便であることなどを挙げている。

 一方で、タリバンは例年、気候が暖かくなる頃に攻撃を開始することから、夏に大統領選を実施すれば、投票を妨害しようとするタリバンの襲撃が多発するのではないかとの懸念も出ている。(c)AFP/Usman SHARIFI