■定期的に「自己批判」

 2017年末には、自治区で「上位の当局」から、各施設の運営を画一化するよう指示が出されている。複数の地方政府のウェブサイトによれば、新たに「職業教育訓練サービス管理局」が設立され、そのトップは刑務所や拘束施設の運営経験のある当局者が務めている。

 ある地方政府の職業教育訓練サービス管理局の文書によれば、センターの入所者は標準中国語や党の主張に関する知識を週、月、「季節」単位で試験されるほか、定期的に「自己批判」を書くことになるとされている。

 また、入所者はセンターで「スローガンを叫び、紅歌を歌い、三字経を暗記する」とも言及されている。紅歌とは中国共産党をたたえるものなど愛国的な歌、三字経とは儒教の基本的な徳目を説いた中国の伝統的な教育書のことだ。

 入所者のファイルは集中管理されたデータベースに登録され、入所者は違反行為や成績によって分類されていた。

 犯罪で服役していた人は、「信用できない者は信用できる場所に置く」という原則に従うとして、刑務所を出所後、直接センターに送り込まれていた。

 一方、センターで良い成績を修めた人には、家族に電話することや、センター内の特別な部屋で家族と面会することが認められていた。

■各世帯から「最低1人」収容か

 当局者には、入所者の家族の自宅を定期的に訪れ、家族に「反過激主義」について教示し、共産党への反発に硬化しかねない怒りの兆候が彼らにみられないかかどうか、チェックすることが命じられている。

 ある地方政府の職業教育訓練サービス管理局が自局の義務について記した文書によれば、職業教育訓練サービス管理局はセンターに関して、「脱走」を防ぐなど、施設内で「面倒なこと」が起こらないように「絶対的な安全」を確保するものとされている。

 各地方政府は、元服役囚や宗教的な過激主義の罪に問われた人に加え、各世帯の少なくとも1人に対して、最低でも1〜3か月間、「職業訓練」を受けさせるよう指示されていた。人口約2400万人の新疆ウイグル自治区で、貧困を軽減するというのが表向きの理由だ。

 中国政府はこれまで、同自治区内で施設に拘束されている人の数を最大で100万人とする見方を否定している。だが、入札関係の書類には、その数が膨大であることをうかがわせる記述も見つかった。

 ホータン地区のホータン県で少なくとも1か所のセンターを管轄する地元当局は、2018年初めの1か月だけで次のような物品を発注している。

 中国語の教本19万4000冊。靴1万1310足。(c)AFP/Ben Dooley