【12月30日 AFP】フランス各地で29日、燃料税引き上げへの抗議に端を発した反政府デモ「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動が行われ、パリをはじめとする一部の都市で警官隊が催涙ガスを使用する騒動となった。しかし、一連のデモが始まった先月17日から7度目の土曜日を迎え、参加者の数は少なかったもようだ。

 パリ中心部にある複数の国営テレビ局やニュース専門の民放BFMの前には、象徴的なよく目立つ黄色いベストを着た数百人が集まり、「フェイクニュース」とシュプレヒコールを上げ、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の辞任を求めた。

 デモ隊は路面電車の軌道内にもあふれ、警官隊に物を投げた。対する警官隊は催涙手りゅう弾で応戦し、複数人を拘束した。

 大衆紙パリジャン(Le Parisien)のオフィス前では、複数台の車に火が付けられた。しかし、消防隊の報道官によると、この火災とデモとの関連は不明だという。

 黄色いベスト運動は西部ナント(Nantes)でも行われ、催涙ガスが使われる事態となった。デモはリヨン(Lyon)やボルドー(Bordeaux)、トゥールーズ(Toulouse)でも開催された。

 南部マルセイユ(Marseille)で行われた運動では、警察発表で900人が参加し、「マクロンは退陣せよ」とシュプレヒコールを上げた。

 黄色いベスト運動の公式な参加者数は、週を追うごとに減少している。政府発表によると、先月17日に行われた最初の大規模デモの参加者は全国で約28万2000人だったのに対し、今月22日の参加者は3万8600人だった。

 しかし、労働組合や政治団体以外にも広がっている黄色いベスト運動の中心人物らは、参加者が少ないのは休暇シーズンのせいとした上で、1月になれば街頭デモの参加者数は盛り返すとの見通しを示した。(c)AFP