【12月29日 AFP】ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)、ジョー・コッカー(Joe Cocker)、ジャニス・ジョプリン(Janis Joplin)──時代を代表するそうそうたるアーティストが出演し、1960年代の反体制文化の象徴ともなった野外音楽祭ウッドストック・フェスティバル(Woodstock Festival)が来年50周年を迎えることを記念して、米ニューヨーク州にある当時と同じ開催地、同じ日程で来年8月にイベントが開催されることが明らかになった。

 主催者の「ベセルウッズ芸術センター(The Bethel Woods Center for the Arts)」は公式サイトで、「音楽と文化とコミュニティーの新しいフェスティバル」と銘打ったイベントを、8月16~18日の3日間にわたって50年前と同じ場所で開催すると発表。ウッドストックは当時、マックス・ヤスガー(Max Yasgur)氏が所有していた、ニューヨーク市の北方160キロにある農場が会場となった。

 共催する米イベントプロモーター大手ライブネイション(Live Nation)によれば、「過去さまざまなジャンルで活動してきた有名、新進気鋭のアーティスト」によるライブと、未来のビジョンを提示するプレゼンターや「レトロな技術の専門家」による「TEDカンファレンス(TED Conference)」スタイルの講演会も行われる。出演者はまだ発表されていないが、近日中に詳細が発表されることになっている。

 ベセルウッズ芸術センターのダーレーン・フェダン(Darlene Fedun)代表はサイトで、「50年前、音楽を通じて世界を変えようと、人々が平和的にこの場所に集った。この歴史的な場所を管理している私たちは、豊かな歴史と精神を守り、音楽と文化、コミュニティーを通じて世界に貢献するために若い世代への教育・啓発を今も続けている」と述べている。

 ウッドストックが行われた当時の米国は、ベトナム戦争(Vietnam War)や性革命、ドラッグカルチャー、ブラックパワー(黒人解放運動)の興隆で揺れ動いていた。ウッドストックの主催者は当初、多くても5万人程度の来場者を見込んでいたが、実際は約50万人もの人々が詰め掛け、実質的に無料イベントと化したものの、概ね平和的に開催された。

 ジョプリンとヘンドリックスは、ウッドストック出演後にほどなくしてこの世を去ったが、ジョーン・バエズ(Joan Baez)や「ザ・フー(The Who)」をはじめとする何組かのレジェンド級の出演者は今も現役で活動している。(c)AFP