【12月28日 AFP】イタリア・セリエAを主催するレガ・セリエA(Lega Serie A)は27日、ファンがナポリ(SSC Napoli)のカリドゥ・クリバリ(Kalidou Koulibaly)に人種差別的なチャントを浴びせたとして、インテル(Inter Milan)にホームゲーム2試合の無観客試合を言い渡した。

 レガ・セリエAは発表の中で「人種差別的な性質を持つ、カリドゥ・クリバリに対する攻撃的な歌」のほか、ナポリファンに対して「土地柄を侮辱する歌」があったと言及。インテルは無観客試合に加え、もう1試合で北スタンドを封鎖しなければならなくなった。

 26日に行われた一戦では、クリバリがホームのインテルファンから何度もモンキーチャント(猿の鳴きまね)を受けた。ナポリは試合の中止を求めたが、要求は受け入れられなかった。試合は1-0でインテルが勝利している。

 この試合で退場となり、2試合の出場停止処分を受けたセネガル人のクリバリは、ツイッター(Twitter)でチームの黒星と自身の退場について謝罪したが、「私は自分の肌の色や、フランスとセネガルの国籍を持っていること、ナポリで暮らしていることに誇りを持っている」と付け加えた。

 ナポリのカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)監督は、人種差別的なチャントがあったため、スタッフが審判に対し試合の中断を3度求めたと明かしていた。

 アンチェロッティ監督は伊スカイ・スポーツ(Sky Sport Italia)に対し、「解決策は存在する。試合を止めなければならない。何回アナウンスがあったら試合が中断になるか明確にする必要がある。さもなければ、次にこうしたことが起こった時には、われわれ自身が試合を止めなければならないのかもしれない」と話した。

 今回の決定に対してインテルはコメントを発表し「(クラブが創設された)1908年3月9日以降、インテルは統合や革新、進歩を象徴してきた」とし、同クラブは「いかなる形の差別も拒否してきた」と述べている。

 ミラノのジュゼッペ・サラ(Giuseppe Sala)市長もチャントを浴びせられたクリバリに謝罪。同選手に許しを求め、フェイスブック(Facebook)に「クリバリに向けられた罵声は恥ずべきものだ」と投稿している。(c)AFP