■コストと利益

 中国融資による事業は、経済的に実現可能といえるのだろうか? またシエラレオネのジュリウス・マーダ・ビオ(Julius Maada Bio)大統領が言うように、国民全体に利益をもたらすものではないのだろうか?

 アナリストは、インフラ事業の費用対効果は通常、中・長期で評価されるため、操業開始から数年での事業の評価は難しいと指摘する。

 だが、フランスの経済・財務省は先週、中国の融資は「経済的に実現不可能となるリスクを増加させる」と指摘する分析を発表した。また、景気の悪化や生産性低下などのリスクもあり、事業そのものが無駄になる可能性もあるとした。

 他方で、米ウィリアム・アンド・メアリー大学(College of William and Mary in Virginia)の研究プロジェクト「エイドデータ(AidData)」は、衛星から撮影した夜間のアフリカの画像を調べ、そこに捉えられていた光の量から経済成長の度合いを測定し、中国事業のアフリカへの影響を探った。

 その結果、中国の開発事業、特に道路や橋などの「連結インフラ」に関しては、周辺地域の経済成長を平等にし、各国間の経済格差を縮小する役目も果たしていることが見て取れたという。(c)AFP/ Saidu Bah and AFP bureaux in Africa