■「女性の解放につながる」との意見も

 端的に言えば、シャオディーは、音声を認識してネット検索などができる「iPhone(アイフォーン)」の音声アシスタント「Siri(シリ)」に似たアプリとWi-Fi機能を備えたラブドールで、Wi-Fiにつながった家電を操作することもできる。

 音声やアプリでの指示に応じる人形は2万5000元(約42万円)で、同社が従来販売してきた2500元(約4万2000円)程度の製品に比べるとかなり高額だ。

 EXDOLL社は来年にも、AI技術、複雑な表情や体の動き、音声認識システム、人の動きを追える目などを搭載した、より進歩したロボットを発表したいとしている。

 工場の入り口では、セクシーな白いドレスを着せられたスタイルの良い試作品の人形がお辞儀しながら、男性技術者たちを迎えている。

 プログラマーたちは画面に表示された3Dモデルを凝視し、別の作業員は配線や関節が露出した骨格を組み立てている。米俳優ウィル・スミス(Will Smith)が出演した『アイ, ロボット(I, Robot)』のワンシーンを思い起こさせる光景だ。

 慎重にシリコン製の肌がかぶせられ、その顔に手作業でメイクが施されると、より生きているように見えてくる。

 開発責任者のチャオ・ウー(Qiao Wu)氏は、目標は可能な限り最も美しく最も人間らしいロボットを作り出すことだと述べ、「優れたロボット技術はすでに開発されているので、われわれが専念したいのは、最も美しい顔と最もセクシーな体を持つロボットを作り出すことです」と話した。

 一方、女性の権利活動家、肖美麗(Xiao Meili)氏は、一部の男性はこれからも常に時代遅れの期待を女性に抱くと思われるので、このような「セックス主婦ロボット」は実際、女性の助けになる可能性もあるとの見解を示している。

「多くの男性は、女性に同じことを期待しています――セックス、家事、出産と親孝行。男性は女性を一個人として見ていません。社会性のない人たち全員がラブドールを買ってくれたら、そうした類の男性から解放される女性はたくさんいるでしょう」と同氏は語った。(c)AFP/Joanna CHIU