【12月23日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が今週、シリアからの米軍撤退を突然表明したことを受け、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」掃討作戦を行う米主導の有志連合の米特使、ブレット・マクガーク(Brett McGurk)氏(45)が辞任した。米国務省当局者が22日、明らかにした。

 マクガーク氏辞任は12月31日付で辞任する。これに先立ち、トランプ大統領はジェームズ・マティス(James Mattis)国防長官の辞任も発表していた。マティス氏はトランプ大統領との意見の相違を理由としている。

 トランプ大統領は22日、つなぎ予算案に関する協議決裂で米政府機関の一部が閉鎖に追い込まれ自身の休暇を延期する中、ツイッター(Twitter)に改めて「ISIS(ISの別称)はほぼ打倒された」と書き込んだ。
 
 マクガーク氏はトランプ氏がIS打倒宣言を発表する前の先週、IS掃討に関し「誰も任務が完了したと宣言していない」と述べていたばかりだった。報道によると、辞表でISは実際には打倒されておらず、米軍の時期尚早の撤退によりISが域内で勢力を盛り返す恐れがあると指摘した。

 バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領から有志連合米特使に指名されたマクガーク氏は、トランプ大統領就任後も同職を続け来年2月に退職する予定だったが、トランプ大統領によるIS打倒宣言の後、これ以上特使の職を続けられないと感じたと報じられている。(c)AFP