【12月22日 AFP】カナダが米国の要請を受けて中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、Huawei)の孟晩舟(Meng Wanzhou)最高財務責任者(CFO)を拘束して以降、中国当局がカナダ人2人を拘束している問題で、カナダと米国の政府は21日、中国政府に2人の即時解放を求めた。

 中国が孟容疑者拘束の報復としてカナダ人2人を拘束したとみられるこの問題について、欧州連合(EU)もカナダへの支持を表明している。

 カナダのクリスティア・フリーランド(Chrystia Freeland)外相は声明で、「今月行われた中国当局によるカナダ人2人の恣意(しい)的な拘束を深く憂慮しており、彼らの即時解放を求める」と述べた。

 米国務省のロバート・パラディーノ(Robert Palladino)副報道官も、カナダ人2人の解放を求めた。また、EUのフェデリカ・モゲリーニ(Federica Mogherini)外交安全保障上級代表(EU外相)も報道官を通じて、「EUはカナダ政府の行動を支持する」と発表した。

 孟容疑者は今月1日、カナダ西部バンクーバー(Vancouver)の空港で乗り継ぎの際に逮捕された。これを受けて中国は今月10日、元外交官でシンクタンク勤務のマイケル・コブリグ(Michael Kovrig)氏と実業家のマイケル・スペーバー(Michael Spavor)氏を拘束した。

 孟容疑者は後に、米国への身柄引き渡しに関する審問の結果が出るまでの間、保釈された。中国との貿易戦争のさなかにある米国は、孟容疑者を対イラン制裁に違反した商取引に関する詐欺容疑で訴追する考え。

 孟容疑者は現在、電子監視装置を装着されているものの、バンクーバーの豪邸で生活し、毎日のように客を迎えたり、ブログを書いたりして過ごしている。一方、コブリグ氏とスペーバー氏は、より厳しい状況下で拘束されており、弁護士との接見さえ認められていない。(c)AFP/Michel COMTE