【12月22日 AFP】スペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州で21日、同州独立支持派の抗議デモの参加者と警官隊が衝突し、62人が負傷したほか、13人が逮捕された。州都バルセロナで中央政府が閣議を行ったことが、独立派から挑発と受け止められた。

 スペイン政府の週例の閣議は通常、首都マドリードで行われるが、ペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相率いる社会労働党政権は今回、同州への融和姿勢を示すためバルセロナでの実施を決定。これが裏目に出て、街頭デモにつながったとみられる。

 デモ参加者は警棒を持った警官らに金属製の柵や石を投げたほか、閣議の会場から300メートル足らずの場所に設置された警察の防御柵を突破しようとした。

 州当局によると、一連の「衝突」に関連して警官35人を含む62人が負傷、13人が逮捕された。

 このほか市内のフランサ(Francia)駅近くでは、数千人が別の抗議集会を実施。集会が平和的に行われる中、「占領勢力は出て行け」というメッセージを掲げる参加者らの姿も見られた。

 政府は閣議で、公務員給与の増加につながる最低賃金の22%引き上げを承認。さらに、同州のインフラ整備事業に対する投資を発表した。

 だが21日は、同州独立の動きを阻止した中央政府が前倒しで州議会選を実施してから1周年に当たり、この日が選ばれたことに一部のカタルーニャ州住民が反発した。(c)AFP/Daniel BOSQUE