【12月21日 AFP】ハンガリーのアーデル・ヤーノシュ(Ader Janos)大統領は20日、「奴隷法」とも呼ばれ抗議が拡大している改正労働法案に署名し、同法は成立した。

 改正労働法は、雇用主が要求できる残業上限を年間250時間から400時間に引き上げるほか、残業手当の支払いを最大3年延長できるようにするもの。

 法案が今月12日に議会で可決されて以来、オルバン・ビクトル(Orban Viktor)首相率いる政府に抗議する大規模なデモが行われ、議会前では警察とデモ参加者が衝突する一幕もあった。

 改正労働法について政府は、労働力不足対策に必要であり、長時間勤務を希望する労働者にも恩恵をもたらすと主張している。アーデル大統領は、同法はハンガリー以外の欧州連合(EU)加盟国の残業に関する法律に類似しており、労働者の権利保護は弱められていないと述べた。

 抗議デモの参加者らは同法を成立させないよう大統領に求め、労働組合は同法が成立すればゼネストを実施すると警告していた。野党各党は団結して保守派のオルバン首相率いる政府に抗議しており、21日夜にもデモが予定されている。(c)AFP