【12月21日 AFP】米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)とブラジルの航空機メーカー、エンブラエル(Embraer)の業務提携計画をめぐり、サンパウロの連邦裁判所は20日、契約締結を再び差し止める命令を出した。国営通信アジェンシア・ブラジル(Agencia Brasil)が報じた。

 52億6000万ドル(約5800億円)規模の両社の提携案に対し、連邦裁判所のビクトリオ・ギジオ・ネト(Victorio Guizio Neto)判事が差し止めを命令したのは今月2度目。

 判事は6日、来年1月1日に極右のジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)氏が次期大統領に就任し、新政権が発足するまで契約締結を差し止める命令を出していた。

 しかし、4日後に高等裁判所が判決を覆し、ボーイングとエンブラエルは共同声明で「ブラジル政府の承認を得ることを条件に」業務提携計画を進めていくと述べていた。

 今回の差し止め命令を受け、エンブラエルの株価は下落した。業界世界3位の同社は1969年に国営企業として設立され、1994年に民営化された。しかし、ブラジル政府は同社の重要事項に拒否権を行使できる「黄金株」を保持している。(c)AFP