【12月20日 AFP】(更新)米当局者は19日、AFPに対し、米国がシリアに駐留している兵士らの撤退を決めたことを明らかにした。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領はこれに先立ち、米国はシリアでイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」を打倒したと宣言していた。

 シリアには現在約2000人の米軍部隊が駐留しており、その大半はISと戦う地元勢力の訓練と顧問任務に当たっている。米軍のシリア撤退は、甚大な地政学的影響を生むとともに、米国の支援を受けてISと戦うクルド人武装勢力の行く末に関する疑念を生じさせることとなる。

 トランプ氏はツイッター(Twitter)で「われわれはシリアでISIS(ISの別称)を打倒した。これは私にとって、トランプ政権下で(米軍が)そこに駐留する唯一の理由だった」と表明。また「われわれの青年たち、若き女性たち、男性たち、全員が現在帰還している」「彼らは準備を進めている。すぐに彼らに会えるだろう。彼らは米国の偉大な英雄たちだ」と述べるとともに、撤退の時期が適切なものだと強調した。

 米当局者はAFPに対し、トランプ氏の決定は18日に最終承認されたことを明らかにし、米軍がシリア全域から撤退するのかとの質問に対し「完全撤退だ」と答えた。

 米当局者は撤退の時期については明言せず、「われわれは部隊の保護が十分維持されることを確認する意向だが、(撤退は)可能な限り早期に行う」とのみ説明。米国防総省は詳細な情報の提供を拒否した。

 サラ・サンダース(Sarah Sanders)大統領報道官は声明で、トランプ氏の見解に同調し、支配領域という観点からISが打倒されたと指摘した上で、米主導の下で数十か国が参加する有志連合軍は今後もIS掃討作戦を続けると表明。「われわれはこの作戦の次段階として、米軍部隊の帰還を開始した」と述べた。(c)AFP