【12月20日 CNS】中国・四川省(Sichuan)の四川大相岭パンダ野生復帰基地がこのほど運営を開始し、野生復帰を予定しているパンダ「星辰(Xing Chen)」と「和雨(He Yu)」が初めての「住人」となった。同省の成都パンダ繁育研究基地(Chengdu Research Base of Giant Panda Breeding)が明らかにした。

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 同研究基地の張志和(Zhang Zhihe)主任は、「パンダの生息域外保全の最終目標は、野生に復帰させ自然環境下で野外の小グループを形成・回復することだ。域外保全プロジェクトの基地として、この目標実現に向け努力をしてきた。野生復帰基地の完成と2頭のパンダがやって来たことは、四川省におけるパンダの野生復帰研究とパンダ国家公園の建設を大いに促すだろう」と語った。

 同基地や県政府などは共同で、パンダの野生復帰のための基礎資料と復帰実行計画の作成に必要なデータを収集するため、野生復帰前の基本調査を進めてきた。2回の野外調査により、大相岭自然保護区の5頭の野生パンダのDNAデータを取得している。

 研究者らは2017年以降、「人間が補助的に野生復帰を助け軟着陸させる方法」による野生訓練法を採用し、同基地の「パンダ谷」で、「星辰」と「和雨」に対して野生復帰に向けた過渡的訓練を行ってきた。2頭の健康状態は良好で、自然食物への転換もうまく進んでおり、単独で竹を採食し水源を探し当てる能力があるという。(c)CNS/JCM/AFPBB News