【12月18日 AFP】コロンビアの左翼ゲリラ組織「民族解放軍(ELN)」は17日、クリスマスと新年に合わせて、「12月23日から1月3日までの間、停戦する」と宣言した。同国政府は8月から、組織との和平協議を進めてきたが前進が見られていない。

 ELNにとって、このようなクリスマスシーズンの停戦はまれではない。ELNは、「過酷な戦争の苦難にさらされてきた住民の希望」に応じた一方的な停戦措置だと述べた。また、保守派のイバン・ドゥケ(Ivan Duque)大統領が就任した8月初め以降、宙に浮いている和平交渉を進めたい意向を改めて示した。

 フアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)前大統領は2016年、当時の国内最大ゲリラ「コロンビア革命軍(FARC)」と和平合意を締結。半世紀に及んだ内戦は終結しFARCは政党に移行したが、ELNとは和平合意に至らなかった。

 ドゥケ大統領は、ELNが捕らえている人質を全員解放し、犯罪活動をやめない限り和平交渉を開始しない厳しい姿勢を示している。政府は、ELNは現在10人の人質を取っているとみている。

 今回のELNの停戦宣言に対しドゥケ大統領は、組織に対して強い態度で挑む姿勢を繰り返し強調した。一方、約1800人の戦闘員を抱え、コロンビアで活動を続けている最後の反政府組織とみられているELNは、大統領の要求を「受け入れられない」と拒否している。(c)AFP