【12月14日 AFP】スウェーデンで国連(UN)の仲介により開かれていたイエメン内戦の和平協議で、アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長は13日、対立する両勢力が主要港のあるホデイダ(Hodeida)での停戦などで合意に達し、大きな前進があったことを発表した。

 イエメンでは1400万人が飢餓の危機にひんしているとされ、ホデイダ港は食料や救援物資輸送の要衝となっている。同港での停戦が実現すれば、4年続いた内戦の大きな転機となる。

 イエメン内戦ではイスラム教シーア派(Shiite)系反政府武装組織「フーシ派(Huthi)」とサウジアラビア主導の連合軍が支援するアブドラボ・マンスール・ハディ(Abedrabbo Mansour Hadi)暫定政権が対立。現地の子どもが10分に一人の割合で予防可能な原因で死亡する状況となり、国連は世界最悪の人道危機と呼んで警鐘を鳴らしていた。

 和平協議の最終日となった7日目、イエメンのハーリド・アル・ヤマニ(Khaled al-Yamani)外相とフーシ派の代表者モハマド・アブデルサラム(Mohammed Abdelsalam)が和平の象徴として握手を交わすと、会場から拍手が起こった。しかしその後、個別に行われた記者会見では、両者とも懐疑的な見解を示した。

 和平協議後もいくつかの重要な争点が未解決のまま残されることになった。新たな協議は来年1月末に行われる見通し。アナリストらは、米国が内戦終結に向け同盟国のサウジアラビアに今後も圧力を強めていくとみている。

 ホデイダ合意によれば、合意の署名と同時にホデイダとホデイダにある3港で「迅速な停戦」が実施される。港湾の管理や視察では国連が「主要な役割」を担うことになる。(c)AFP/Natacha YAZBECK