【12月11日 AFP】米国の要請でカナダ当局に拘束された中国の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ、Huawei)」最高財務責任者(CFO)の孟晩舟(Meng Wanzhou)容疑者の保釈をめぐる審理が10日、カナダ・バンクーバー(Vancouver)の裁判所で開かれ、同容疑者は体調や健康状態を理由に保釈を求めた。

 米当局は現在、孟容疑者が対イラン制裁に違反した詐欺の疑いがあるとしてカナダ側に身柄の引き渡しを求めている。孟容疑者はパスポートの提出に加え、保釈された際には電子監視装置を装着することにも同意した。

 孟容疑者の弁護人、デービッド・マーティン(David Martin)氏は「中国を代表する企業の顔という立場にある彼女が逃亡したり、この極めて特殊な状況で出された命令に違反したりするようなことがあれば、彼女は中国自体に恥をかかせることになると言っても過言ではない」と述べ、保釈を求めた。

 55ページに上る宣誓供述書の中で孟容疑者は、逮捕以降、病院で高血圧の治療を受けていると明らかにし、「私は体調が悪い状態が続いており、拘束されている間に健康状態が悪化するのではないかと心配している」と述べた。

 また2011年に甲状腺がんの手術を受けるなど健康上の問題を多数抱えていると主張した上、「私はバンクーバーにとどまり、身柄引き渡しについて争いたい。また、もし最終的に米国に身柄を引き渡された場合には裁判で争いたい」と述べた。(c)AFP/Deborah JONES, with Michel COMTE in Ottawa