【12月10日 AFP】国際通貨基金(IMF)のモーリス・オブストフェルド(Maurice Obstfeld)首席エコノミストは9日公開のインタビューで、米経済は2019年、世界経済の顕著な成長減速の影響が表れ始めるものの、景気後退(リセッション)には入らないとの見通しを示した。ただ、データに基づくと「2020年にはおそらく米経済の減速が前年よりも急激になりそうだ」とも語った。

 今月の退任を控え、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)と英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューに答えた。

 オブストフェルド氏は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権の財政・予算措置の効果が薄らいでいくことから「2019年の米経済の成長はやや減速するとわれわれは予測してきた」と説明した。IMFはすでに米経済の来年の予想成長率を2.5%に引き下げており、今年の予想値は2.8%としている。

 米国以外の地域の経済については「風船の空気が抜けてきているようだ」と表現し、アジアと欧州では今年7~9月期の経済実績が予想を下回った点を指摘。その影響は今後、米経済にも及んでくるとした。(c)AFP