【12月9日 AFP】仏パリで8日、生活費の上昇とエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の政策全般に抗議する「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動のデモ隊と機動隊が衝突した。「黄色いベスト」デモが行われたのは4週連続。

 厳戒態勢が敷かれたおかげで1週間前のような大規模な破壊は免れた。とはいえ、パリ中心部で起きた暴動では装甲車が街中を走る中、象徴的な黄色いベストを着たデモ隊が、車やバリケードに火を付けたり、窓ガラスを割ったりする場面も見られた。

 厚い黒煙が空高く立ち上る中、米コーヒーチェーン大手スターバックス(Starbucks)など、数多くの店舗が略奪を受けた。パリのアンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)市長はツイッター(Twitter)に、「小売店主数十人が暴徒の被害を受けた」「繰り返しになるが実に残念だ」と投稿した。

 パリには警察官8000人が増員されたほか、初めて装甲車も配備された。デモ参加者650人以上が拘束され、その多くは、ハンマーやペタンク競技用の金属製の球といった飛び道具となり得る物を鉄道駅や集合場所に持ち込もうとして警官に制止された人だった。

 保健当局によるとパリで126人が病院に搬送されたが、ほとんどは軽傷だという。一方、クリストフ・カスタネール(Christophe Castaner)内相によると警察側は17人が負傷した。

 デモはマルセイユ(Marseille)、ボルドー(Bordeaux)、リヨン(Lyon)、トゥールーズ(Toulouse)などの都市を含むフランス各地で行われ、デモ隊と警官隊が衝突した。当局の推計によると、8日のフランス全土のデモ参加者は計12万5000人で、先週の13万6000人より減った。

 フランス全土で各地の町や市、高速道路などに警察官8万9000人が配備された。警察がスペイン国境を封鎖するなどしたため、道路網は大混乱に陥った。カスタネール内相によると全国で1400人近くが拘束された。(c)AFP/Katy LEE and Clare BYRNE