【12月7日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は6日、米ニュージャージー州にあるドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の豪華ゴルフ場で複数の不法移民が就労していると報じた。同大統領はこれまで、不法移民を公然と非難し、米国民の雇用を守ると強調してきた。

 同紙によると、グアテマラ出身のビクトリナ・モラレス(Victorina Morales)さん(45)は2013年、偽造文書を使って同州ベッドミンスター(Bedminster)の「トランプ・ナショナル・ゴルフクラブ(Trump National Golf Club)」に採用され、清掃員として働いてきた。業務にはトランプ氏のベッドメーキングやトイレの清掃も含まれる。

 モラレスさんと、元同僚で現在は米国に合法的に居住しているサンドラ・ディアス(Sandra Diaz)さん(46)は同紙に対し、ゴルフ場には他にも不法就労者がいると説明。摘発を逃れ、就労を続けられるよう上司が手助けしていると述べた。

 同紙は、トランプ氏自身や同氏一族が経営する複合企業トランプ・オーガニゼーション(Trump Organization)から出向した経営者が、移民の法的地位を知っていたかは不明だと伝えている。

 トランプ・オーガニゼーションの広報はAFPに対し、「わが社には、すべての土地・建物の合計で数万人の従業員がおり、雇用は非常に厳格に行っている」と説明。「法の抜け穴を悪用するために虚偽の文書を提出していた従業員がいれば直ちに解雇される」とした。

 米調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)によると、米国の民間就労者のうち約780万人は非正規移民だという。(c)AFP