今年、創業150周年を迎えたIWCは、その長い歴史において数多くの名作を生み出してきた。なかでも代表的なコレクションのひとつが「パイロット・ウォッチ」だ。1930年代中頃に誕生したこの時計は、パイロットの命綱としての役割を果たすべく、丈夫かつ時刻の判読性に優れるアナログウォッチの必要条件を満たしたものだった。一方でIWCは1884年、デジタル表示方式を採用した「パルウェーバー・ポケットウォッチ」を発表。斬新な表示方式は当時こそ支持を得られなかったが、今年、腕時計として再び日の目を見ることになる。この2モデルをはじめ、IWCの多彩なコレクションを眺めていると、その歴史は、黒い直線と三色の四角形を組み合わせたモンドリアンの抽象画のよう。時計のさまざまな表現手段を“組成”してきたように感じられるのだ。 (竹石)

IWC
トリビュート・トゥ・パルウェーバー
〝150 イヤーズ〞

IWCトリビュート・トゥ・パルウェーバー
1884年に誕生したデジタル表示ポケットウォッチへのオマージュ・モデル。時と分をデジタル表示し、その下にスモールセコンドを配置した縦ラインの表示と、ラッカー仕上げのダイアルが美しい。
手巻き。ステンレススティール、ケース直径45㎜、3気圧防水。世界限定500本。税別250万円。
IWCトリビュート・トゥ・パルウェーバー
150周年を記念した18金製のメダルが輝く自社製の手巻きムーブメント「Cal.94200」を搭載。このムーブメントは、専用の香箱を持つ独立した輪列を用いて大きな時分の表示ディスクを動かすため、時計本体の輪列内を伝わる駆動力に影響を与えることがなく、安定した精度と60時間ものロング・パワーリザーブを実現しているのが特徴だ。

ビッグ・パイロット・ウォッチ

ビッグ・パイロット・ウォッチ
存在感あふれる46.2㎜のケース径を採用した2002年発表のモデルが復活。マットブラックの文字盤や12時位置のトライアングル・インデックスなど、パイロット・ウォッチの基本要素を継承している。
自動巻き。ステンレススティール、ケース直径46.2㎜、6気圧防水。税別145万5000円。
ビッグ・パイロット・ウォッチ
ビッグ・パイロット・ウォッチの超大型リュウズは、厚手のグローブをはめたままでも操作できるよう工夫されたもの。ただ大きいだけでなく、リュウズの引き出しや回すことについても研究され尽したデザインだ。一たびリュウズを引き出してみれば、そのリュウズとムーブメントをつなぐ極太の巻き芯にも驚かされる。見えないところにも手抜きは一切なしだ。

時計のお問い合わせ=IWC

Tel.0120-05-1868
www.iwc.com/ja/home.html

ピエト・モンドリアン
《コンポジション No.Ⅱ》

ジョージア・オキーフ《ラジエーター・ビルの夜景、NY》
1913年 油彩、カンヴァス 88.0×115.0cm クレラー=ミュラー美術館蔵
© Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands
20世紀美術を代表するオランダ出身の巨匠、ピエト・モンドリアン(1872~1944)は、1940年代に描いた縦横の線と赤・青・黄の原色で構成された幾何学的な作品でよく知られるが、初期にはそれらの萌芽を感じさせる、このような絵を描いていた。いわばこの作品は、アナログとデジタルの中間に位置するともいえる。こうして同じ画面にIWCの2つの時計を並べてみると、毛色の違う双方が時を超えて繋がっているかのようにも見える。